先のワットスワンドーク同様、今まで何回もチェンマイに来ているのに、ちょっと郊外にあるというだけで、有名なのに行ってなかったお寺があります。
その名もワットウーモン(スワンプッタラーム)(วัดอุโมงค์(สวนพุทธธรรม))。
一般的には”洞窟寺”としてガイドブックに紹介されているお寺です。
カッコの中は、たぶん別名プッタラーム公園ぐらいの意味なんでしょうかね。
内部は洞窟寺というか、森のお寺といった雰囲気で、入り口からこんな感じに、林の中を進むみたいな感じです。
しかも街中から離れた、山際にあるんで、結構広い広い…
敷地内にはこんな広い池もあります。
池の向こう側は寺の外…なんてこともなさそうなぐらい広いみたいですね。
(たぶん)
池のほとりには、謎の生き埋め仏陀?というか胸像なんですかね…もあったりします。
さらにずんずん進むと、なんとなくお寺っぽい雰囲気のところに来ましたよ。
でも目的地はもっと先みたいです。
だって…
まだまだこんな階段あるしね。
ってほど長そうでもないんで、ちゃっと登っちゃいましょう。
ということで、階段を登りきると、こんな感じで仏塔があります。
普通にスリランカ風ですね、北タイなのに。
…で、洞窟どこ?
って、最初気づきませんでしたが、どうも仏塔の下辺りが洞窟みたいです。
つまり登りすぎたってわけですね。
さっきの仏塔の周りの芝?のところは、どうもこんな感じにレンガを積み上げた人工的な土台だったみたいです。
で、そのレンガのところどころに、こんな感じに穴が開いています。
どうもこれを”洞窟”と呼んでいるみたいですね。
まあ、とりあえず入ってみましょう。
まあ、先にも書いたとおり、人の手で作られたものなんで当たり前ですが、洞窟ではなくこんな感じにアーチを描いて、まるでトンネルです。
と…それで思い出しましたが、タイ語でウーモンって、確かトンネルって意味だった…
洞窟だとタムでしたね。
そのアーチ状のトンネルの壁にはところどころにおにぎり型のくぼみがあり、そこに…
きっと昔は仏像が安置されていたんでしょうね。
それとも、見た目通り?暗いトンネルを灯すろうそくを立てる場所なんでしょうか…
で、そのトンネルの突き当りには、こんな感じに仏像が安置されていて、敬虔な仏教徒にあがめられています。
ちなみに、もやがかかっているように見えるのは、いつもの線香の煙なんですけど、妙に明るいのは…
ところどころ、こんな感じに天井に穴が開いているんですね。
おそらく採光と空気穴をかねているんだと思いますが…
考えすぎですかね?
さらにずんずんと奥に進んでいくと…
(こんな奥に行く奇特な人は、タイ人にはいないみたいですね。)
奥にも、さらに横穴があり、それぞれの突き当たりに、やはり仏陀が安置されています。
で、窓の外は反対側…森しかありませんけどね。
反対の突き当りにも、やはり仏陀が…(以下略)
ということで、トンネルはこんなもののようです。
レンガ積みの前は、ちょっと外れるとこんなわけわかんない状態になってまして…
その正面には、なんか記念館かなにか、ちょっとした建物があります。
建物の前には、こんな感じでレリーフが飾ってあったりします。
建物正面には、こんな感じに黒い胸像?やら円盤型レリーフやら、よくわからないものがあったりします。
拡大…
なんか写実的な…仏陀ですかね?
妙になまめかしいですし、潔く?腕も省略している辺り、西洋の銅像とかを意識しているんでしょうかね…
ご尊顔もなかなかリアルタッチで…われわれの見慣れている方とはだいぶイメージが違います。
で、建物にも入ることができるみたい(一応お坊さんに断りましたけど)なんで入ってみますと、こんな感じに下半分だけ不思議な絵が描かれた空間が広がっています。
しかも入り口横にいきなりあるのが、この裏涅槃の図?
おそらく仏陀と思われる人が横たわっていて、朽ち果てているんでしょうか、その体が花になったり、地獄になったり…
一応パノラマになっていますので、クリックすると拡大します。
え?そんな風に見えないって?
確かにそこまで解像度高くないですしね…
ということで、顔の付近の拡大をどうぞ。
額の皮がめくれ、頭が割れている辺り、かなりエグイ表現ですが…
な~んて、のっけからすごい絵ですが、他にもいろいろとあるんですよ。
こんな骸骨君を始め…
人面魚君に、人生の岐路に立っている人などもいます。
何人かは今まさにワニに食べられそうですしね。
こちらは一皮向けば中身は人類みな兄弟の図ですね。
背景も地獄なあたり、なかなかシュールなできばえです。
誰これ?
ランプの精…ではなさそうな気がしますが…
絵師が複数いるようで、いろいろなタッチも楽しめます。
のどかな農村の風景のすぐ横に、餓鬼がうろついています。
地獄の業火の中で、救済を求めている人々の横で、豚の貯金箱にお金入れようとしていたり…
なんか脈絡があるのかないのかよくわかりませんが、とりあえず不思議な感じは伝わりますよね。
陰陽仕立てになっていますが、どちらも人間が大漁です。
ここだけ何故か中華タッチ?ですが、後ろのひげ男はターバンまいていたり…
タイなのに。
何故かこれだけエロチックです。
これは六道を表したもののようですね。
畜生道…
こら!後ろの虎!人が見ていないと思って何やってるんですか~
地獄道…
針山とかもありますが、ここの人たち結構従順ですね。
餓鬼道…
なんかペットみたいでかわいいですかね?
たぶん人間道…
まあ、普通ですね。
修羅道…
あれ?天道はどこ?
つまりどんなけ輪廻転生しても、けっして天界にはいけないってことですね。
現実を突きつけるなんて、結構厳しいお寺ですね。
といったところで、予定外の絵に興奮してしまいましたが、まあ、逆に言うとこんなのしかない建物でした。
帰り道にあったヤック。
なんか怒っているというより、ないているみたいな顔ですね。
腕も折れてるみたいだし。
Dec./'10
評価
★★☆☆☆:その県に行ったら、行く候補に入れるべき。
寸評
いや、期待していたよりもずっと楽しめましたよ。
仏塔はまあ普通ですけど(特に中部のお寺を見慣れた身にとっては)、トンネルなんかはちょっと珍しかったですし、何より謎の絵の描かれた建物が、タイでよくある仏教法話や、仏陀の一生、その土地の風俗画などとは完全に一線を画していて、面白かったですね。
ちと遠いので歩いていくには厳しいですが、幸いトゥクトゥクとかはどこでも走っていたりするので、行くのにもそれほど苦労はなさそうです。
ただ…あの絵をみて「なにこれ?キモ~」と感じる方には、もうトンネル以外に見所なくなりますので、評価ガタ落ちになりますけどね。
Google earth 座標(分かるやつだけね)
18° 46'59.16" N
98°57'04.72" E
View 変スポ in a larger map
2 件のコメント:
ちょっとマシな絵ですね。
サムットプラカンの寝釈迦内部を思い出しました。
前も思ったけど、寺に金が有るなら、ちゃんとした画家に描かせれば後世に残るのに。
価値観・美意識の違いかな、、、。
私はバンコクの美術館に良く行くので、タイにも優れた画家がいる事は知ってますが。
コメント一号さま
きっとタイ人にとっては”ある”ことが重要であって、その出来は2の次なんでしょうね。
個人バスの絵なんかも、そんな下手な絵描いて走って恥ずかしくない?って思いますが、本人たちは満足しているみたいですしね。
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